さてさて、今回はONE PIECEの最大の謎のひとつ、”Dの一族”について読み解いてみようと思います。
ONE PIECEの謎 ”Dの一族”について
主人公、モンキー・D・ルフィや、海賊王ゴール・D・ロジャーなど、特定の人物に共通している文字、”D”。
まずは現時点で判明している、名前に”D”が付いている人物を挙げます。
- モンキー・D・ルフィ :東の海出身。父親はドラゴン、祖父がガープ。
- モンキー・D・ドラゴン :革命軍の総司令官。
- モンキー・D・ガープ :海軍中将。「伝説の海兵」と語り継がれている。
- ゴール・D・ロジャー :海賊王。「万物の声」を聞く能力があった。
- ポートガス・D・エース :南の海出身。ロジャーとルージュの間に生まれた子供。ルフィとは義兄弟。
- ポートガス・D・ルージュ :エースの母。ロジャーと結婚して”D”が付いたのか、もともとなのかは不明。
- マーシャル・D・ティーチ :黒ひげ海賊団船長。
- ハグワール・D・サウロ :元海軍中将。幼き頃のロビンの恩人。
- トラファルガー・D・ワーテル・ロー :北の海出身。元天竜人ドフラミンゴに対し、同じ”D”を持つルフィと共闘。
性格や見た目に共通しているところもない様子ですし、出身地も「東の海」や「北の海」だったり、身分も海賊・海軍・革命軍とみんなバラバラ。
同じ”D”というミドルネームを持つだけで、共通点は見つかりません。
ルフィとロジャーの共通点を挙げると、海王類やズニーシャ(象主)の声が聞くことができた点。
「一般人には聞こえない声」が聞こえている描写がされています。
もしかすると、”D”に共通する能力なのかもしれません。
それと唯一違うのはトラファルガー・ローの「ワーテル」。
763話でみずから「”D”は隠し名、”ワーテル”は忌み名で・・・ウチの家族は代々・・・」と、名前について明かしています。
“D”だけでなく、”ワーテル”というワードも一族にちなんだ名前になっている様子。
ただ、”ワーテル”が何かはまだ分かりません。
“D”に関する描写
ストーリー中、”D”について言葉が交わされている場面をいくつかご紹介します。
第154話「アラバスタへ」
旧ドラム王国でチョッパーを見送ったDr.くれはが、ルフィの手配書を見て一言。
「どうやらウチのトナカイは大変な奴について行っちまったらしいね・・・生きてたのか”D”の意思は・・・」
第576話「大海賊エドワード・ニューゲート」
海賊”白ひげ”、エドワード・ニューゲートが黒ひげ海賊団に討たれ、死の間際にロジャーとの会話を回想します。
白ひげ「時々会うな”D”を名に持つ奴ら・・・ウチにも一人ティーチってのがいる “D”ってのは何なんだ・・・」
ロジャー「おお知りてェか よし教えてやろう・・・」
第594話「メッセージ」
マリンフォードの決戦の後、ルフィが仲間達にメッセージを送るためにオックス・ベルの16点鐘をした記事が出回りました。
その記事を見て五老星の一人がポツリ。
「厄介なのはいつも”D”だ・・・ポートガスも然り・・・ここへ来て少々その名が人目に触れすぎている様だな」
第764話「ホワイトモンスター」
ストーリー中、”D”について一番言及しているのがこちら。
幼い頃のトラファルガー・ローに、ドンキホーテ・ロシナンテが”D”について、こう言っています。
「お前は宿命の一族、”Dの一族”だ」
「しばしば世間で名を上げる”D”の名を持つ者達に対し、老人達は眉をひそめて、こうつぶやく『”D”はまた必ず嵐を呼ぶ』」
「真相は誰も知らないが、世界各地の歴史の裏で脈々と受け継がれている名前だ・・・!」
「そしてある土地では“Dの一族”をこう呼ぶ者達もいる・・・”神の天敵”」
「”神”を仮に”天竜人”とするならば、お前達の目的は・・・”この世界の破壊”なのかもしれない」
「“D”には”神”に相対する思想があるハズだ」
“D”を読み解く
▼ロシナンテの言葉をもとに、”Dの一族”を要約します。
- 世界の歴史の裏で生きてきた、宿命を背負った一族。
- 天竜人に相対する思想をもとに、世界の破壊(世界に変革)をもたらすことが目的。
ここから読み取れることは、”Dの一族”とは昔から世界にいる一族。
その起源が世界政府が誕生した900年前なのか、空白の100年の間なのか、またはそれ以前、以後なのかは分かりませんが、一族として長い歴史の中で生きてきたということなので、先に挙げた”D”の名を持つ9人の出身地がバラバラであること、外見に共通点がないことも自然なことだと思われます。
ただ現状、”D”に共通する思想は明らかにはなっていません。
ルフィと”黒ひげ”ティーチについては、エースの件で因縁があり、対極にいるような気がしますが、同じ海賊として、同じワンピースを目指しています。
一方でルフィとガープを取り上げてみても、こちらはより共通点がない気がします。
血の繋がりがある家族であること、話してる最中に寝てしまうところなど、性格的な面では近いところもありますが、共通の思想があるとは思えません。
強いて言うならば「自由」というところでしょうか。
そしてポイントは、脈々と受け継がれている”D”という名前を持つ人たちが、全員何かを成し遂げたわけではないということです。
むしろ、何かを成し遂げた”D”の方が少ないでしょう。
いや、いるのか・・・?
少なくとも現状、天竜人が世界にはびこり、世界政府が「正義」という名のもとに海を支配しているので、今の所は世界がひっくり返るような変革は起こっていません。
ロジャーがグランドラインを制覇し、ワンピースへ辿りついても、世界は変わっていないんです。
「大海賊時代の幕開け」になったことは大きいかもしれませんね。
隠されている”D”
先ほど取り上げたように、世界政府の五老星や、海軍のセンゴクたちは”D”という名前が世間に触れることを危惧しています。
象徴的なのは”D”の存在を知っている、元海軍元帥センゴクがマリンフォードでエースに向かって「お前の父親は”海賊王”ゴールド・ロジャーだ!」と、あえて”D”の存在を隠すかのように発言している所です。
麦わらの一味では、海賊王のことを”ゴール・D・ロジャー”と認識しているのはロビンだけ。
他のみんなは今もまだ「ゴールド・ロジャー」と呼んでいます。
これ、意外じゃありませんか?
ちなみに、錦えもんは「ゴール・ディー・ロジャー」と読んでいます。
錦えもんなどワノ国の光月家や、光月家と長年交流があるモコモ公国のミンク族たちは歴史について何かを知っている様子のため、昔からゴール・”D”・ロジャーと呼び続けているのでしょう。
ここからは”D”についてぼくなりに推測してみます。
仮説 1:言葉の頭文字
安直、と言えばそうなんですが、”D”が何かの言葉の頭文字である可能性。
“D”で始まる言葉で、それっぽいものをいくつか挙げます。
このうちのどれかかもしれませんし、”D”でも人によって背負っている意味がそれぞれ違うのかもしれません。
ぜひ想像しながら一緒に考えてみてください。
“Dream”の”D”
“Dream”には「夢」とか「理想」という意味があります。
ちょっと、まんますぎるかなぁという気もするけど、可能性としてないとは言い切れない感じがあります。
“Destiny”の”D”
“Destiny”には「運命・宿命・天・神意」という意味があります。
なんか、それっぽくないですか?w
先ほど挙げた”宿命の一族”という言葉にもうまくリンクしている気がします。
“Destroy”の”D”
“Destroy”は「破壊する、滅ぼす、打ち砕く」という意味。
ロシナンテの「お前達の目的は・・・”この世界の破壊”なのかもしれない」という言葉にもリンクしていますね。
“Dadaism”の”D”
“Dadaism”は芸術に関するフランスの用語なのですが、「既成の秩序や常識に対する、否定、攻撃、破壊といった思想を大きな特徴とする」芸術運動・思想のことを指しています。
“D”の活動は芸術活動ではありませんが、思想という面ではいいところを突いているのではないかと思います。
我ながら、ちょっとこじつけ感が否めませんが。。
“Dawn”の”D”
これが一番核心的ですね。
「夜明け、始まり」という意味の“Dawn”。
第1話のタイトルは「ROMANCE DAWN -冒険の夜明け-」、第601話のタイトルは「ROMANCE DAWN for the new world -新しい世界への冒険の夜明け-」。
ルフィが幼少期に過ごしたゴア王国フーシャ村、コルボ山のある島は「ドーン島」。
もはやドーン(Dawn)祭り。
さらには、かつてポーネグリフを作り出した光月家と関係のある、ミンク族のネコマムシやペドロなどが「世界の夜明け」というワードを使っています。
ここにもドーン(夜明け)。
“D”に何らかの関係があるとしか思えないのはぼくだけでしょうか。。
仮説2:マークとしての”D”
仮説1では”D”を単純に文字と捉えて、何かの略語ではないかと推測しました。
“D”とはアルファベットとして「ディー」と読みますが、もしかすると逆にこの文字自体には意味がないのではないか、と推測してみます。
例えば記号としての”D”。
全体を◯として表すとすると、その半分、半円を表す記号として”D”が使われているとか。
一部ネット上では「月」がキーワードになっているのではないかとささやかれていますが、それを考えると”D”も月(半月)を表しているような気もします。
ただ、ぼくはこれについては否定派です。
ONE PIECEをSFにはしたくないというだけなんですが。
ちょっと突拍子も無い発想ですが、”D”に意味を求める反面、全く意味がないマークとして”D”が付けられている可能性も考えてみました。
まとめ
以上、今回はONE PIECE最大の謎である”D”について考察してみました。
“D”が何かの意味を表すワードなのか、それとも全く意味のない文字なのかは分かりません。
ただ、いずれにせよ大昔に何かきっかけがあり、天竜人と対峙する思想を持つ人たちに名付けられた名前であることは確かなようです。
「”D”はまた必ず嵐を呼ぶ」。
物語の各所に存在する”D”が、どんな嵐を巻き起こしていくのか、見ものですね。
最後に、何かヒントになるかもしれないので、ぼくが気になっているロジャーの言葉を載せておきます。
これらは止めることができないものだ
“受け継がれる意思” ”人の夢” ”時代のうねり”
人が『自由』の答えを求める限り
それらは決して
止まらない
第100話「伝説は始まった」より。
かなり意味深ですよね。
個人的には何か”D”に関係する言葉なのではないかと考えているんですが、まだ分かりません。。
知りたいような、知りたくないようなワンピースの謎。
こうやって考えるのが楽しさの一つ。
今後の展開を楽しみに待つとしましょう。
ありがとうございました!
▼ドンキホーテ・ドフラミンゴの弟、ドンキホーテ・ロシナンテが”D”について語る第764話はこちらに収録。